ベトナムに出張に来て、思いがけない出会いがありました
ホーチミンシティのKnK活動地で
一人の青年に再会したのです。
Phoung、現在25歳。
1998年に初めて出会ったころは15歳でした。
彼は、KnKが活動を始めるきっかけとなった子のひとりです。
公立のストリートチルドレン収容施設で、
職業訓練という名の下にサーカスの練習に明け暮れつつ、
施設を出なくてはならない年齢に達し
先の見えない将来に脅えるばかりの少年でした。

若者の家で暮らしていた当時18歳のPhoung
Phoungのような子どもたちに、大人になるまでの数年、
勉強し将来に備える時間と機会を提供したい、
そう考えたのが
KnKの出発点です。
その後、Phoungは
KnKが開設した「若者の家」で
数年を過ごし、卒業後は、サーカス団に加わってみたり、
いくつもの仕事を転々とした後、風の便りに
ベトナムのどこかの島で働いているらしい、
というニュースがもたらされたのが5年ほど前。
それ以来、連絡は途絶えていました。
KnKは、彼と出会ったストリートチルドレン収容施設での
活動を今日まで変わりなく続けていますので、
今回の出張でもその活動地を訪れました。すると、
あのPhoungがその施設のサーカスクラブにいました。
ホーチミンシティに戻ってきていたのです。
市内のレストランでコックさんとした働きつつ
非番の日には自分の育った施設を訪れ、
後輩となるサーカスクラブの子どもたちを
ボランティアで指導していました。

現在25歳になったPhoung
再会するやいなや、5年前は一言もしゃべれなかった英語で
昨年末まで島の五つ星ホテルの厨房で働いていたこと、
友だちもなく、イタリア人のシェフのもと
同僚もお客も外国人ばかりだったので
英語を身につけなければやってこれなかったこと、
厨房での仕事は皿洗いから始まり調理を任せられるまで
何年も耐えたこと、
そこを退職する時には、ホテルの支配人が
次の職場のために推薦状まで書いてくれたこと、
長い間KnKに連絡できなくて
申し訳ないとずっと思っていたこと、
新たにホーチミンシティのレストランで働いて
お金を貯めたら自分の店を出したいこと、などを
堰を切ったように話してくれました。
次の日、彼が働いている店に昼食に行くと
厨房から出てきて
「メニューにある料理は全部作れるよ、どれでも注文して」と胸を張る彼をみて、
改めてたくましくなったなと思いました。

どれも本当に美味しい料理ばかりでした
私たちの人生は、線で表すとしたら恐らく
誕生から成人、老後へと緩やかな曲線を描くことでしょう。
一方、
KnKの子どもたち、卒業生たちの人生は、
子ども時代にすでにらせん状あるいはジグザグに
行きつ戻りつし、子どもから大人になる段階でも
前進と後退を繰り返しているように見えます。
それでも、10年という長いスパンで見ると
どの子の人生もそれぞれ確実に前へと進んでいる、
そんなことを改めて実感させられたベトナム出張でした。
【KnKのベトナムでの活動についてはこちら】
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